ヒマワリの笑顔
でも、我が家に入れば違う。

甘えん坊になるのだ。

いつまでも家を出ない兄に向って

「こうちゃん、野球遅刻するよ」

母が庭から家に入ってきた。

兄妹と兄の友達、麻衣が向かい合って口論している光景をみて母はくすっと笑った。

「とにかく、こうちゃん達は野球ね。はい、いってらっしゃい」

母が兄たちを見送った。

「おばさん、まいね野球がしたいんだ」

麻衣はまだ言っている。

「そうね~。じゃあ、宿題やっておやつ食べたら行きましょうか。危ないからおばさん連れてってあげる。」

「わぁ~い♪」

麻衣は飛び跳ねて急いで2階へあがった。

宿題を済ませ、おやつを食べると、帽子をかぶり兄の野球を見に私と麻衣と母と出かけた。

小学校の近くにある児童図書館の近くにグラウンドがある。

そこで兄たちは野球をしていた。

図書館に行った時、野球を覗いた事があったが、ちゃんと見るのは初めてで、参加するなんて思ってもいなかった。

「よぉ~し!!やろう!!」

麻衣が言った。

野球の監督が母と何か会話をしている。

監督は大きく笑うとボールを一つ貸し出してくれた。

私と麻衣はキャッチボールをした。

バットはもう少し大きくなってから。そう母と監督に言われたのだ。

それでも麻衣は満足そうだった。
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