溺れ愛



「武くん、傷は・・どうですか?」

「学校はどうしたんだよ、お前」



武くんの入院した病院にお見舞いに来たです。



「きょ、今日はいいの!」

「サボりかよ・・。傷は大したことねぇよ。だからさっさと学校行けっての」



そんなこと言いつつも、武くんのわき腹はぐるんぐるんに包帯で巻かれているみたいだし・・・。


この前はわき腹の出血が気になって気が付かなかったけど、腕も刺されてしまっていたみたいで右手も包帯で巻かれてる。



「あの、ごめんなさい・・・。私のせいでごめんなさい!!」



私、なんてことしてしまったんだろう。


私の身勝手な行動で武くんはこんなことになってしまったんだ・・・。


償っても償いきれない。



「謝ってんじゃねぇよ。お前がやったことは正しいぜ、千愛」



武くんに向かって一生懸命頭を下げると武くんはそう言ってくれた。



「この傷は俺が勝手にやったことだ。責任感じてんなよ」

「だけど・・・」

「ふんっ。そこまで言うなら・・・責任とってもらおーかねぇ」



ニヤッと怪しい笑みを浮かべてこっちを見やる武くん。



「どう・・・やって?」



とれるものなら、責任をとりたい。


その術があるなら・・・。



「今日から、俺のモンだ」



え?



「俺の奴隷だってことだ、千愛」



ええええー!?


ど、奴隷!?


・・・一体どういうことなのでしょうか。


そう言った武くんの表情は今までで一番生き生きとしているように見えたのは気のせい、かな?


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