先生、私じゃダメですか?


「全く、冬なのにワンピース一枚はさすがに辛いだろ? 」


彼は少し怒った口調で言った。


意味わかんない。

お人好しにもほどがあるでしょ。


「何でこんなことするわけ? ほっとけばいいじゃん」
「 ……ほっとけない。何となく、君を見捨てちゃいけない気がしたんだ」


覆いかぶさったコートから見た
彼の目は真っ直ぐ私を見ていた。


「ほら、コート着て。俺の家すぐ近くなんだ。ずっとここにいたら、風邪引くよ? 」


彼は私に手を差し出した。



私は衝動的に、彼の手を取った。




彼の手は温かく
それがなぜか、心地よかった。




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