支配を解く手段
俺ら2人は2階の廊下を歩いていた。

「ねぇねぇビーストー。もう1回2階まわろー。外の敵兵が中に来たってよー。」

「げっ!……マジかよ。面倒くさい奴らばっか来んじゃね?」

「え?わざわざここまで来て俺に殺されようって奴らがいるんだよ?ありがたいじゃーん♪」

またふざけたこと言って……。と俺は呆れ、ため息をついた。その時、教室から手が出てきてレッドを捕らえるのに気づかなかった。

「っ!!」

「レッド!?」

そこには、日本刀をレッドの首に当てたキノコヘアーの女教師が沢山の資料を背負い逃げようとしていた。

「貴方達、九条君と篠原君。でしょ?」

こいつは……昔の俺の担任だったやつだ。

「ようキノコ。まだ教師やってたのか。お前はもう定年じゃねぇのか?」

「失礼ね。まだ定年じゃないわよ?」

「キノコー。何してんのー。さっさと殺すなら殺しなよー。」

またレッドがふざけたことを言う。すると女教師は、

「あいにく、私は殺生をするような人間じゃないわ。でもまぁ、2人くらいいいか。」

女教師は、レッドの首に少し日本刀を当てた。血が少しにじむことろで刀を止めた。

「へぇ……。肝が座ってるのね。マスクが邪魔ねー。」

「バカっ!マスクは外すんじゃねぇ!!」

「……マスク、外したらどうなるのかしら?」

そう言うと女教師は、レッドのマスクを外した。

「……はあぁ……いい……匂いだ。」

レッドの顔は笑っていた。

「なに変な事言ってるのかしっ……!」

レッドは自分の手が切れているのも気にせず、素手で日本刀を掴み首から離した。そして素早く、外套の中から小型ナイフを取り出し、女教師の腿に刺した。

「ぎゃぁあぁああっ!!」

女教師は後ろに倒れ絶叫した。すかさずレッドは女教師の喉を切り裂こうとした時、

「おいレッドっ!!やめろっ!!殺すなっ!!」

俺の声に反応し、レッドはピタッと動きを止めた。

「……なにかと、情報持ってそうだな。」

俺はそう言いながら、レッドの防毒面を拾い、付けてやった。

「……あれっ。俺はなんでこんなことしてんだ?」

キョトンとしているレッドに俺は、

「キノコにマスク外されて、暴走したんだよ。ったく……どうなるかと思ったぜ。」

「でなに?こいつは殺してOK?」

「ひいぃっ!!!」

レッドが女教師の目の前にナイフを突き出す。

「……そいつからある程度の情報を聞き出したらな。」

その言葉に、レッドの目は輝いた。

「……なんでも、あり?」

俺はため息をついた。

「……好きにしろ。ただし、俺がやめろと言ったらやめろよ。分かったな?」

「了解……。」

レッドは女教師に拷問を始めた。服をナイフで床に固定し、さっき腿に刺したナイフをグリグリと動かす。女教師の叫び声が廊下中に響きわたる。

「ああぁあぁあっ!!やめてぇっ!!痛いいぃいぃっ!!!」

「……ははっ……うるせぇなぁ♪ほら。さっさとなんか喋んなよ。」

「あぁあっっ!!!……ぐっ……そっ……組織の中にっ!!」

「!……レッドよせ。」

レッドが動きを止める。

「そっ……組織の、お前らのっ……組織のなかに……裏切り者がいるっ!!!」

「……嘘だね。……そんなの無理じゃん。」

「嘘じゃないわっ!!本当よっ!!」

「口答えすんなよ♪」

「んなぁああぁぁあぁっ!!ほんとっ……本当よぉっ!!やめてぇぇっ!!」

さらに奥へ奥へとナイフを刺していく。レッドは今、かなり楽しんでいるだろう。

「……もういい。殺れ。」

俺がそう言うと、

「あーあー。お前はもう用済みだってさ~。残念♪」

「いやっ……いやよっっ!!やめてぇっ!!」

「バイバーイ、キノコ♪」

ザシュッ……

レッドが女教師の喉を切り裂いた。女教師の身体は、しばらく痙攣しそして動かなくなった。

「……おいレッド。行くぞ。」

「ねぇ。……血が……美味しそうだから、舐めてもいい?」

「言い訳ねぇだろっ。」

俺はレッドの頭を軽く叩いた。

「いったぁ~。叩くことはないじゃん。」

「おら。さっさと仕事終わらせるぞ。立て。」

レッドの腕を引っ張りあげ、俺達2人は3階へ向かった。
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