優歌-gental song-

想-affection-

優歌さんは、同じクラスの女の子だった。


今日学校に来て初めて気づいた。


窓際、前から4つ目の席が彼女の席だった。


休み時間は自席について一人穏やかに読書をし、決して騒いだりしないあたりが彼女らしいと思った。


けれど誰かに嫌われていて一人いるというわけでもなく、何人もの女の子が優歌さんに話しかけては談笑していた。


その穏やかで暖かい雰囲気に、ぼくは釘づけになっていた。


数名の女の子と談笑していた優歌さんはぼくの視線に気づいたらしい。


慌てて視線をそらそうとしたぼくより先に、彼女はぼくに向かって微笑んだ。


暖かい、陽だまりのような笑顔だった。


どきりと心臓が跳ねる。


ぼくは視線を逸らした。


先ほどの笑顔が脳裏に焼き付いて離れない。



…優歌さん。


授業中も、休み時間も、ずっときみが頭から離れない。


ずっと君のことばかり考えているんだ。


こんなこと、初めてで。


ぼくは可笑しくなってしまったのだろうか。



それとも、これが 恋 と呼ばれるものなのだろうか。



どくんどくんと心臓が痛いほど心拍している。


あぁ、本当に。


可笑しくなってしまったみたいだ。


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