女子高生の私と不機嫌な若頭
「杏奈ちゃんにリボンつけて、チョコ塗って『食べて』っていいよね」
美沙さんが言っていた言葉
そ、そ、そんなこと絶対無理
普通にチョコ買う?
それとも作る?
けど、どこで作る?
涼介さんにバレないようになんて無理だ
……あっ。
雄哉に、三宅さんに組長さん……
それに組員さんにもだ……。
どうしよう……
そんな頭を抱えていたら
「うちで作れば?」
そう言ってくれたのは
受注書を眺めていた白鳥さん
『え?…いいんですか!』
バレンタイン当日は白鳥さんも私も休み
白鳥さんの家で作れば涼介さんにバレない
当日は、白鳥さんと出かけるって言えば
涼介さんも了承してくれる。
白鳥さんに感謝だ。