女子高生の私と不機嫌な若頭


沙耶が言う若様……それは涼介さん


涼介さんだけじゃなく三宅さん
翔子さんと組長さん、そして雄哉



雄哉は大勢の中の私を見つけて
ぶんぶん手を振ってきた



っ!!


ここで手を振れば
多分……みんなが見る
様子を見て、雄哉が諦めてくれるのを待とうと思ったけど……諦めそうもない


だから、小さく手を振った


「なんて、杏奈が手を振ってるの?……ん?そういえば弟いるって言ってたよね?……え?知り合いの家に世話になってるって……えっ、えっ!?もしかして……もしかして……杏奈の相手って…」


沙耶の驚きと興奮に私はワタワタする
沙耶の口をどうにか抑えて


『沙耶、沙耶……静かにっ!後でちゃんと紹介するから……ねっ!』


そういって、なんとか場を収めれた
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