月夜に悪魔



そう言い切って、ニアは倒れた


「ニアっ!!」


俺は誰よりも早く駆け寄った


「大丈夫…安心して寝てるだけだ…、ニアは俺が連れて帰るからねぇさんたちはデートを楽しんでろよ」


俺はニアをおぶって、今度はゆっくりと歩いた



帰る途中でニアの目が覚めた


「………フィート?」



「そうだけど悪いか?」

「いや…別に………、あのさ…ニアの好きな人は……」


「俺…だろ?」



「…うん……」


「俺…さ、皐月の事まだ諦めきれねぇんだ。それにまだおまえは6歳だ」


「…………じゃあ、私は二度目の失恋をするのね…」


「………もし、10年経って俺の事がまだ好きだったら…結婚、考えてやるよ」



ニアを背負っているので表情はわからないが、きっと泣いているのだろう


「……絶対よ……?」


「嘘はつかねぇよ、ニア」



「あなたが私を呼び捨てなんて10年はやいのよ…!」



いつものようにニアはひねくれた口を聞いていた


恥かしそうに顔を潜らせて…


たけどなんだか変わった気がする


前よりもっと優しくなったような




まぁ、俺の気のせいかな――‐…





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