月夜に悪魔
「皐月ちゃん…!」
バランが叫ぶ
だけど今はバランが怖い
「今は追いかけて行かない方がいいよ、てか追いかけても無駄だから」
そうバランに言い放ち、七瀬君が私の後を追った
バランはただうつむいて後を追おうとはしなかった………
そのころ私は中庭にいた
もちろん、七瀬君は私にすぐ追いついた
「……………」
「何がそんなに怖いわけ…?」
七瀬君が真剣な顔で聞いてきた
「七瀬君は怖くないの!?バラン君…バラン君はメイドの血を吸っていたんだよ…!!?」
「……じゃあ人間だって同じじゃないか」
「え…?」
「人間だって、牛や豚、鶏とかいった生き物の肉を喰ってるじゃねーかよ。それと同じことだろ?人の事言えるのかよ」
「あ…………」
たしかにそうだ
人間だって…たくさんの命を自分のために犠牲にしてるんだ…
悪魔は血をもらうだけ…
人間の方がよっぽど残酷だよね…
「おれ、おまえと同じ、少しだけ悪魔の血が交ざってるんだ」
「え?」
てっきり七瀬君は普通の悪魔だと思ってた
「俺はねぇさんとは腹違いの兄弟、俺の母親は人間だったから…」
七瀬君は一つ一つ、ゆっくりと語りだした