嵐は頭痛を運んでくる。【完】
先輩はなんと、お粥まで作ってくれた。
ダルいから仕方ないけど、なんだか色々申し訳ない。本当に。
おいしい、ありがとうございますと言うと、先輩はまた柔らかく微笑んだ。
お粥を食べ終わって、やっぱり帰ります、と言いかけたときだった。
「せんぱ――」
「お前さ、嵐の日になんかあったの?」
「……」
「お前、寝てるとき何度も何度も謝ってた。
涙ポロポロ溢しながらさ。」
「嵐は、嫌なことを運んでくるから…キライです。」
私がうつむくと、ぎしっという音がした。
先輩がベッドに腰かけた音だ。
「頑張ってたんだな…頑張ってるんだな。お前は。」
先輩の大きな手が、私の頭をポンポンとなでる。
「…………はい」
首を振ると一粒涙が零れた。
あっ、と思った時にはもう私は、先輩の腕のなかにいた。