線香花火
夏の思い出

1

その後は、どこをどう歩いて帰ってきたのか、全く記憶がなかった。

気がつくと自分の部屋のベッドで朝を迎えていた。

「おはよ」

一階に下りると、高校生の弟が部活に行くところやった。

「おはよう。なぁ、昨日、変わったことなかった?」

「え? 別に。晩ご飯食べてシャワー浴びたらすぐに寝たやん?」

「そうか……」

「どうしたん?」

「いや……部活、いってらっしゃい」

弟は首をかしげながら、手をふって出ていった。

夏子ちゃんとのキス……あれは夢やったんか……!?

唇に触れてみる。

夏子ちゃんの温かく柔らかい感触が蘇る。

ふと、アイツの言葉が頭に浮かんだ。

かわいい子とは全員メアド交換した……って言ってた。そんなアイツにさっそくメールをした。



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