線香花火
『勢見夏子ちゃんとメアド交換した?』

アイツからすぐに返事がきた。

『誰? それ?』

あんなにかわいい子やったのに、覚えていないやなんて……。もしかしたらバイト中に会わなかったんかな?

『ショートカットで目と胸が大きくて……かわいらしい小柄な子……やで?』

またすぐに返事がきた。

『そんなかわいい子なら間違いなくメアド交換するし。名前も珍しいから忘れるわけない。本当にいたんか? そんな子』

本当にいたんか? そんな子……。自分に聞いていた。

いや、でも、あのくちづけはウソやない。今でも感触が蘇る。

そうや! あの場所に行こう。

……秘密の場所に……。
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