嫌われている君がスキ
当たり前だよ。
だってスキなんだもの。
何故みんな よく知りもしないのに悪口ばかり言うんだろう。
……うんまぁ、人に暴力を振るったりするのはよくないけどさ。
コートの端に立ち続ける彼。
なんで彼がそこに立ち続けるのか。
今の私には分からない。
でも、そこに惹かれているのも事実。
彼の表面を見ながら
彼の内面を見つめる
そろそろ、話しかけてみようかな…。
ピーッ!!
「あ!ごめん斎藤、試合始まるわ!」
笛の音がして、瑞希ちゃんは私の肩に水色のタオルをかけた。
「ふぁいとー。」
走り去る瑞希ちゃんの背中に小さくエールを送る。
女子の試合が終われば、体育の時間は終わる。
峯君の退屈な時間もそろそろ終わる。