モンスター・バスターズ


やっぱり食堂にも一番乗りだった。


「オバちゃん、おはよう」


厨房を覗いて、食堂のオバちゃんとして皆んなに親しまれているヨシ子さんに挨拶をする。


「おはようナギサちゃん。今日は唐揚げ定食だよ。」


「唐揚げか!今日も1日頑張れそうだな」


15年もここにいれば好きな食べ物も覚えてもらえるし、こうやって親しげに話すこともできる。


私はお盆に唐揚げが盛られた皿を置き、No.1用の席に座る。


早く食べたいところだが、全員が集まらないと食べ始められない。


そしてすぐにサキが来て、No.1が一番最初に揃った。


そして3分くらい待ち、ようやく全員が集まった。


私はNo.1のリーダーでもあり、モンバス全体のリーダーでもあるので、食事の最初と最後の挨拶をしなくてはならない。


「全てのものに感謝し、ありがたくいただくこと。」


私が立ち上がってそう言うと、一斉に手を合わせて「いただきます!」と元気な声が食堂に響いた。


「ナギ、今日の仕事午前中で終わるかしら」


唐揚げを頬張りながらサキが聞いた。


「さぁ、どうだろうな。敵の数にもよるしな…。私的には午前中で終わってほしいな。」


「今日は魔物討伐やろ?あたい、めっちゃ楽しみやねん!」


口の端にマヨネーズをつけながら言うフィーレ。


その綺麗な赤毛と和ノ国訛りがとても印象的だ。


まだ16歳ということもあって、その姿はとても微笑ましかった。


「私も!草原ってことは植物がたくさんあるんだよね?だったら私、張り切っちゃう!一発でバーンだよ!」


フォークに唐揚げを指して言ったのは、双子の妹ルイ。

No.1の中で最年少の13歳で、双子の姉メイも同じNo.1として活動している。


「こら、ルイ。食べ物が口に入っているときは喋っちゃダメって言ってるでしょ!」


隣で注意するのは少し内気な姉、メイ。

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