禁断のプロポーズ
 桜はシンクにすがって溜息をつき、
「あんたは、どういうのが好みなのよ」
と訊いてきた。

「うーん。
 好みですか。

 ……そうですねえ。

 まあ、やさしい人ですかね」

 そう言ってみたが、桜には、
「つまらないわね」
と切り捨てられる。

「やっぱり、男は何処か危険な香りがしなくちゃね」

「広瀬専務は危険すぎると思いますが」

「どういう意味よ」

 未咲は、いやあ、と笑って、
「ちょっとお茶淹れる練習します。
 平山さん、一杯、どうですか?」
と言った。

「だから、あんたは得体が知れないって言うのよ。

 もう〜っ。
 人のことばっかり訊いて。

 自分のことはしゃべらないんだから。

 なんで、あの女に似てるのかも聞いてないわよ。

 名字も違うし、姉妹じゃないわよね」

 ははは、と笑って誤魔化そうとしたが、なんにも自分のことは言わないのも悪いかと思い、こう言った。

「そうだ。
 気になる人なら居ますよ」
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