禁断のプロポーズ
「あのー、私を使ってストレス解消するの、やめてくださいね」

 そう言ってみたが、智久はこちらを横目に見、

「ストレス解消のために、お前を飼ってるんだろうが」
と非人道的なことを言ってくる。

「……わん」
ともう一度、不満を訴え、吠えてみた。

 だが、今度は智久は笑わなかった。

「未咲。
 お前は夏目とは結婚できない」

「……なんでです?」

 何度も繰り返されるその言葉に、少し不安を覚え、訊いてみた。

「お前は夏目と結婚したら、不幸になるんだ。

 脅しじゃない。
 まだ、お前の知らない事実があるんだよ」

 夏目とはあまり深い関係にならない方がいいぞ、と意味深なことを言ってくる。

「本当にそんな事実があるのなら、何故、今、言わないんですか」

「……俺の隠し球だからだ」

 そう言い、両腕を掴むと、智久は口づけて来ようとする。

 その額に手をやり、押し返した未咲は彼を間近に睨んだ。

「もう二千万もらいますよ」

「やっぱりとるんじゃないか」

 呆れたように智久は言った。
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