禁断のプロポーズ
 



「おはようございますー」
とテレビの部屋に行くと、もう朝食は出来ていた。

「わあ、綺麗っ」
と未咲は思わず、声を上げる。

 鮮やかな南国風の朝食。

 昨日の克己の買い物を見て期待していたが、想像以上だ。

 だが、おや、と思う。

 色とりどりのフルーツが盛られている横に、少し、和食も混ざっていた。

 ほうれん草のおひたしだ。

 それを見ていると、克己が、
「よしよし、いい子は朝からたっぷり食べな。

 まだ時間あるから。

 ほら、悪い子の夏目も」
と言う。

「誰が悪い子ですか」
と言う夏目に克己は、

「夕べ、部屋から居なくなってたからだよ」
と言う。

 ほんっと鋭いな、この人、と思っていた。

「未咲ちゃんは、まず、おひたし食べて」
と言われ、はい、となんだかわからないまま、座って、手を合わせ、それに箸をつける。

「美味しい」

「ありがとう。
 でも、感想は、それだけ?」

 未咲は少し考え、
「えーっと、まろやかだとか?」
と言うと、克己は笑うように溜息をつき、

「ほんっとに君はなにも知らないんだね」
と言った。
< 232 / 433 >

この作品をシェア

pagetop