禁断のプロポーズ
「夏目さん、いいものあげます」
と未咲はすりガラスの向こうから呼びかけた。
「いいもの?」
「はい」
と少し開けて、アイマスクを渡す。
「……なんだ、これは」
「つけてください」
「軽く意味がわからないんだが」
「私が入るまでつけててください。
そしたら、入りますから」
と言うと、
「お前がつけてればいいんじゃないか?
俺に見られてるのがわからなくていいだろう」
と言う。
「私の方が意味がわからないんですが。
わかりました。
切ります」
と風呂場と洗面所の電気を消すと、他につけてなかったので、真っ暗になる。
すぐに目が慣れるだろうが、最初はなにも見えなかった。
「こらお前っ。
何処の洞窟風呂だっ」
「夏目さんは、もう入ってるからいいじゃないですか。
私はもうなにがなんだか。
あっ、キャンドルに火をつける準備するの忘れたっ」
と慌てふためいていると、相変わらず、計画性がないと罵られる。