禁断のプロポーズ
 一体、なにをこんなに持ってきたんだ、と思うようなボストンバッグと紙袋を見ながら、こういう家に嫁ぐのは大変そうだな、と改めて思う。

 この荷物の多さに息子へのどっぷりとした愛情が現れている。

 房江は、紙袋を移動しながら、
「今度、智久とうちへいらっしゃい」
と言ってきた。

 ……行きません、と思ったが、そうも言えないので、ひきつりながらも笑いを浮かべ、
「はい、ぜひ」
と答えていた。
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