禁断のプロポーズ
「もう〜、朝から大失態ですよ〜」
役員室の隅にある給湯室に、今は桜と二人だけだったので、未咲はそう愚痴った。
「ま、それはいいんですけど」
と流そうとすると、
「待ちなさい。
よくないわよ」
と遮られる。
「もう〜、気をつけてよ。
あんたのミスは、あんたを推薦した私のミスなんだからね」
「今日はよくそういうこと言われる日ですよ」
とシンクに腰ですがり、項垂れると、桜は身を乗り出し、訊いてきた。
「で?」
「は?」
「あれから、どうなったの?
遠崎夏目は帰ってきたのよね」
「そりゃ、自分の家ですからね」
「なにか進展した?」
「おねえちゃんのことがですか?」
「それもだけど、あんたと遠崎のことよ」
その口調に、未咲は訊く。
「前から思ってたんですが、桜さんは、課長にはなにやら冷たいですよね」
同期ですよね? と一応、確認してみた。