童唄―warabeuta―かごめかごめ編
1章

遊女

誰もが私を敬い、褒め称える。



 『由実ちゃん可愛いね』



 『由実ちゃんって頭いいよねぇ~』



 由実ちゃん由実ちゃんみんなが口にする。



 でも、あの子だけは違った。



 教室の片隅で、



 特定の友人たちと楽しそうに喋ってる、遥香。



 そんな彼女を私は許せなかった。



 今思えば、羨ましかっただけなのかも知れない。



 ただそれだけなのに、



 私は何も悪くない彼女をいじめた。



 『あんたさぁ~消えてくんない?』



 でも、彼女は、



 いくら何を言われても、負けず学校に来た。



 そんなある日、私は、



 彼女の友人たちが、



 本人に謝っているところを目撃した。

『ごめんね。遥香、助けられなくてごめんね。』



 『許してなんていわないから、



      ずっと友達で居させてね?』



 「何いってんのぉ~?ずっと友達でしょ?」



 遥香は、笑ってた。



 どんなにひどい事いわれても、



 どんなにつらいめにあっても、



 それが悔しくて、自分が負けてる気がして、



 彼女の友人たちを呼び出した。



 そして、ボロボロになるまでいたぶった。



 「あたし側についてくれたら、



         殺さないであげる。」



 そいつらを落とすのは簡単だった。



 まだ死にたくないっ!って泣き叫んで、



 命乞いしてきて。
< 2 / 11 >

この作品をシェア

pagetop