藍くん私に触れないで‼




藍くんへ


藍くん、元気かしら。お母さんは元気よ。なんて言っても、もう信じてくれないよね。

ずっと、嘘ついていてごめんね。
藍くんのことだからきっと薄々気づいていたのよね。

この手紙を読んでるということはお母さんは今頃天国かな?

今までたくさん迷惑かけてごめんね。あなたのために、私は生きている間辛い想いばかりさせてしまったね。

なんにもしてあげられなくてごめんね。

貴方は貴方が思ってるよりもずっと、弱い子なのに、まもってあげられなくてごめんなさい。

今、いったい貴方がどこで何をしているのかも知らない。知ることはもう出来ないのかもしれない。

でも、今まで母さんにずっとついててくれたのだから、これからはもっと自由に生きていいのよ。

悪いことはしちゃダメだけど、今は貴方が幸せになってくれることだけが母さんの幸せ。

私が死ぬのは誰のせいでもないのよ。


貴方は優しい子だから、もしかしたら、自分を責めるときが来るのかもしれないけれど、そんなことはしなくていいからね。しちゃだめよ。

あなたは誰よりも幸せにならなくちゃいけない存在なんだから。

私のたった一人の大切な子なんだから。


自分を責めているのなら、幸せになってくれる償ってちょうだい。

間違っても、若いうちに母さんに会いに来たりしちゃだめよ。

母さん本気で怒るわよ。


ご飯はちゃんと食べて。好き嫌いしちゃだめよ。

学校も、遅刻しないで、ちゃんと行ってね。

お友だちも、これからは母さんのこと気にしないでたくさん作るの。

それから、素直に生きて。


お願いはきりがないけれど、とにかく、元気で居てくれれば、いいよ。


大好きな藍くん。

貴方の笑顔がいつでも見たかった。


病院ではいつも悲しそうな顔ばかりさせてしまった。
いつか、貴方がまた本当に笑ってくれる日を天国から見守っています。

貴方を笑顔にしてくれる人と、どうか離れないでいてね。

そして、幸せに生きてくださいね。



母より




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