藍くん私に触れないで‼


すべて読み終わって私は丁寧に手紙を封筒に戻した。

ほら、ね。
藍くんは、ちゃんと最後まで愛されていたよ。


藍くんが全部背負い込む必要なかったんだよ。


それなのに、バカだよねほんと。


いや、でも、藍くんが自分を責めていることに変わりはないか。

けど、藍くんはこの手紙をみるべきだ。
見なきゃいけない。

藍くんが、どうするかは、

この手紙を見てから、決めないとダメだ。


これしかない。

藍くんの気持ちが動くとするなら、これしか。


私はすぐに月島さんの部屋を訪ねた。

月島さんは私の顔を見て驚いたような顔をしていた。

たぶん、ひどい顔だったんたろう。
頭もぼさぼさのまま行った。


私はその手紙の旨を月島さんに伝えた。


手紙は、月島さんが持っていってくれることになった。



私はその日、怖くて寝れなかった。


これは、きっと間違ってないことだと思っていても、心のどこかで勝手なことしすぎたかな、とか、手紙勝手に見てごめんなさいとか、考えてしまう。


月島さんは、明日その手紙を持っていってくれる。


そのあと、どうなったか報告してくれることになってる。



本当に、気まずいこと全部引き受けてもらって申し訳ない。


けど、今日で決まる。


藍くんが、決めるんだ。



これから生きたいと願うかどうかを。


私は何度も心のなかで祈った。

こればかりは、神様にもどうにもできないけど、祈らずにはいられなかった。


どうか、藍くんを、彼のお母さんの意志と共に生きる勇気を与えてください。

私が力になることを、分かってください。

思い出してください。



どうか、どうか…








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