冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~
 
 アシュレとは、相変わらず夕食をともにするだけだ。

 寝室はいまだわけられたまま。


 リューリが感じていたアシュレとの間にできた暖かさは
 霧がはれるように、消えてしまった。


  (もともと、私達の間には何もなかったのだ)


 リューリはそう思おうとしたが、アシュレとの遠乗りの楽しさを
 民のことについて語らう暖かさを知ってしまった今では
 自分自身に言聞かせるのは、大変だった。
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