冷酷皇帝と偽りの花嫁~政略からはじまる恋の行方~
アシュレが鷹をとまらせた腕をすっと斜め上にあげると
それが合図のように鷹が飛び立った。
二、三回、空中で輪をえがき、森の上を飛んでいく。
二人でそれを目で追っていると、アシュレが言った。
「あの鷹には、とてもついてはいけぬが、俺の馬に
そなたがついてこれるかな。」
「まかせてください。」
にやりとアシュレの口元があがった。
「わかった、ついてこい。」
二頭の馬は前後にならび、湖と森に挟まれた道を駆けぬけていく。
アシュレがふりむくと、大きな声でいった。
「少し、道をはずれる、こっちだ。」
先をいく黒馬が右手に道をおれ、森の中に入っていく。
そのままアシュレについて木々の間を走り、ぽっかりと空があけたところに
走りこむと、リューリは手綱を引きしぼって、馬をとめた。
目の前の草原は、輝くばかりの黄金色
その中に白い綿毛が揺れている。
秋のやわらかい日差しの中に、目の前の景色が幻想的に浮かび
まるで、別のどこかにいるみたいだ。