キャラメルに恋して





「へぇ…雛もなかなかやるねぇ」


食パンをほお張る私を茶化すアスちゃんに顔が赤くなっていく。



「も~、いいじゃん」



隼人の事を考えると、意味もなく胸の奥がぎゅっとなる。


これがどんな気持ちなのか、よくわかんないけど好きって気持ちなんだよね?



残っていたパンをほお張った私は、今日のために買ったかわいいワンピースに裾を通した。



冬だから暖かい格好もしたいけど、オシャレは我慢って言うもん。


少々寒くても、我慢くらいしなくちゃね。



昨日の夜届いた隼人からのメールの中にある、「楽しみにしてる」の文字に、ウキウキが止まらなくなった。



楽しみにしてるのが私だけじゃないってことが嬉しくて、心がピョンピョン飛び跳ねてた。



時計を見ると、そろそろ家を出なきゃいけない時間だ。



「アスちゃん行って来るね!!」


「朝帰りは勘弁してよ~」


「ば、ばかっ!!」




あ、朝帰りって……。


1人で真っ赤になりながら、待ち合わせまでの道のりを急いだ。




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