キャラメルに恋して




待ち合わせの場所は、初めてのデートと同じ駅前。



お昼だけあって、普段より人が少ないものの周りにいるのは、カップル、カップル、カップル………。


そんな中、私だけが時計の前にポツリと突っ立っている状況。


なんだかすっごく寂しい感じがする。



前には早めに来て待ってくれていた隼人も、今日はなかなか来ない。


時刻は既に、待ち合わせの時間から10分経っていた。


ん………?


それってあんまり待ってないのかな?



隼人が来るのが待ち遠しいせいで、時間の感覚が麻痺してしまったみたいになってる。


嬉しい気持ちが湧き上がってきて、今すぐにでも踊りだしたいくらい。


ほんと嬉しいー!!



過ぎ行く人の中で、ウキウキ気分でいる私の頭上に突如、黒い影が落ちてきた。


どき……っ


一気に心拍数が上がったのがわかる。





「は、はやと?」



名前を呼びながら前を向いた私の前に立っていたのは……




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