キャラメルに恋して





「雛…、ちょっと向こう行こうか」



せっかく盛り上がってた場の雰囲気をむちゃくちゃにしちゃったのに、みんなの方を見ると笑顔で…、本当にありがたいなって。


アスちゃんに肩を抱かれて外に出た。

いつもは寒い…と感じてしまう夜風も、興奮してしまった頭を冷やすには十分だった。


むしろ、心地よくて…そのままアスちゃんに肩を抱かれて眠ってしまいそう。


いつだったかな…

昔にもこんなことがあったような気がする…。


私はいつも泣いちゃってて、そのたびにアスちゃんや真菜ちゃんに支えられて…。

だけど、私は泣きやまなくって。

だけど、いつもあの子が謝ってくれたから笑顔になれてた。


何度、泣かされたって…その子のおかげで笑顔に…



だって、私はその子のことが…





「ひな…?」






隼人の事が…






――――――――――…好きだったから










夜風に揺れる隼人のキャラメル色の髪の毛が、涙に歪んで星みたいに



キラキラ光った。







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