キャラメルに恋して



だから、ハッキリ自分の気持ちを伝えるべきだと思ったんだ。



私も唐沢の誠意に答えるように、真剣に答えた。



「私、恋はしばらくしない事にしたの。だから、好きでもない人とは付き合えない。………ごめんなさい」



私がそう言うと小さく「わかってたよ」と呟き、


「んじゃ、友達からじゃダメ……かな?」



唐沢は、不安そうな表情で聞いてきた。



そりゃ、友達になろうって言われて嫌だとも言えないし、別に唐沢と友達でも嫌じゃないし。



こう言うしかないでしょ!


「よろしく!唐沢君」



「あぁ、よろしく。ちなみに、雛ちゃんって呼んでいい?俺の事は呼び捨てでもなんでも構わないから」



「うん。あたしも何でもいいから。………」


し、しまったぁ。私、唐沢の下の名前知らないよー。



こんな事なら麻耶に聞いとくんだった。



私の心境を悟ったのか。



「響(きょう)でいいから」


そういってニッコリと笑った。


よく見ると、響くんってかっこいいのかもしれない……。


それなのに、優しいって……。



私、響くんといい友達になれそう。




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