キスより甘くささやいて
「なんで、ケーキ屋なんかで働いてるかな?
探し出すのに時間がかかったよ。」と私に笑いかけた。
「…智也。」
私は小さく呟いて立ち上がって、ショーケースを離れ、智也の前に立つ。
「…帰って。」と小さな声で言ったら、
「ちゃんと話が出来るまで帰れないよ。
ここにたどり着くのに3ヶ月もかかってるし、
今日は仕事、後輩に押し付けてきた。
夜の医長のお供もキャンセルした。」と私の手をつかんで、笑顔を見せる。
仕事も夜のお付き合いも断るなんて、
今までの智也では決してなかった事だ。
クリスマスも、誕生日も私は1人で過ごしてきた。
(まあ、後日のフォローは贅沢な時間と、贅沢なプレゼントが用意されていたけど)
智也の本気度が見て取れる。
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