能あるイケメンは羽目を外す
1、一晩の夢
結婚すれば幸せが必ず手に入ると思ってた。そう信じていた私はなんて馬鹿だったんだろう。
今日、私は世界一幸せな花嫁になるはずだった。
婚約者が結婚式をすっぽかしたりしなければ……。





「こんな時間まで一人で飲んでるなんて危ないんじゃないかな?」

気づけばバーカウンターの隣の席に、彼はいた。

低くて響きのある魅力的な声。

薄明かりに照らされた端整な顔。

チラリと横目で彼の顔を見ると、私は自分のグラスに視線を戻した。

口説くために近づいて来たのか、それともお説教でもするつもりなのか……。

でも……お願いだから放っておいて欲しい。

酔って全てを忘れたいのだから……。

今日私の身に起こった全てを……。
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