能あるイケメンは羽目を外す
着替えてから楓と一緒に食事を済ませて一息つくと、ちょっと眠くなってきた。

楓がソファーに座っていたので、俺は彼女に近づいて「ちょっと膝貸して」と呟き、有無を言わせず彼女の膝の上に頭を乗せた。

「ちょっ……陽斗‼」

楓は顔を見なくてもわかるくらいあたふたしていた。

彼女を見守ると心に誓ったが、この位の我が儘は許して欲しい。

親父や会社の事を考えると、今はちょっと頭が痛い。

俺はこれからどうすればいい……?

頃合いを見計らってイギリスに戻るのもいい。社長の椅子なんて興味ないのだから。

だが……何かが俺に「本当にそれでいいのか?」と問い掛ける。

どうすべきか……。

今はまだ答えが決まらない。

もし親父が病気で引退しなければいけない状況になった時は、すぐに決断を迫られるだろう。

ああ……疲れた。眠って現実を少し忘れたい。

ここに楓がいるから……つい癒しを求めてしまう。
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