能あるイケメンは羽目を外す
男性は「何だそんな事」というような表情でさらりと答える。

「でも……」

私は足を止めるが、男性は私の手を強引に引いてエレベーターの中に入る。

「一人になりたくないんだよね?」

私に突き刺さるその冷たい視線に何も言えず、ただコクリと頷く。

二人きりのエレベーターの中はとても息苦しく感じた。

鏡に映る自分達の姿を見て、私は思わず目を背ける。

彼は百八十はありそうな長身で、非の打ち所のない完璧な容姿をしていた。

王子さまを彷彿とさせるような上品で爽やかな顔立ちに、ちょっとカールさせたダークブラウンの綺麗な髪。

人目を引かずにはいられない。

それに比べて私はどうだろう。

背は百五十五センチと低めだし、顔は目がやたら大きいだけで童顔だし、高いヒールを履いても彼と並ぶと兄と年の離れた妹のようだ。
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