能あるイケメンは羽目を外す
分不相応だし釣り合っていない。

ホテルの最上階の一つ下の二十九階でエレベーターを降りると、慣れた様子で彼はすぐ近くの部屋のキーを開けた。

「先にシャワー浴びてくる。適当にくつろいでて。逃げるなら今のうちだよ」

スーツのジャケットを脱いでネクタイを外すと、彼は私を一瞥してバスルームに消えた。

彼の姿が見えなくなると、私はハーッと溜め息をつく。

彼は私にまだ考え直すチャンスをくれるらしい。

自分から男性を誘うなんて初めてだけど、逃げるつもりはない。

行きずりの男となんて馬鹿な事をしてると自分でも思う。でも……今夜だけは一人になりたくはなかった。

私は部屋を見渡す。

広くて豪華な部屋。高価そうな調度品。テレビは五十インチはありそうだし、ソファーもテーブルも高そう。

ここってこのホテルでも一番いいロイヤルスイートなんじゃないだろうか?一泊十数万の。
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