能あるイケメンは羽目を外す
タイミングよく彼が来てくれて良かった。

もう少し陽斗が来るのが遅かったら私はどうなっていただろう?

そう考えて……身体がまたぞくぞく震えた。

「楓?」

陽斗は私の様子を見て瞳を曇らせ、ギュッと私を抱き締めた。

「もう俺がいるから大丈夫。怖くないよ」

安心させるように私の耳元で呟いて、陽斗は私の震えが止まるまでずっと抱き締めてくれていた。

どれくらいそうしていたのだろう。

落ち着気を取り戻すと、私は陽斗に声をかけた。

「……ごめんなさい。もう大丈夫。陽斗はどうして……ここに?」

「朝、様子がおかしかったから一人にならないように見張ってたんだよ。何で言わなかったの?」

「……陽斗に……迷惑かけたくなかったから」

私が陽斗から視線を逸らすと、彼は私の顎をつかみ目を合わせる。

「……そうやって距離を取ろうとしないの。いい機会だから言っておく。始まりは身体からだった。でも、あの夜、俺達が会ったのは運命だ。もう俺は楓の人生に関わってるんだよ。一人で悩むんじゃなくて、もっと俺を頼って欲しい」

陽斗の優しい声が私の心に響く。
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