Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
遼太郎はその「彼女」の意味を解しかねて、目を瞬かせた。どうも、みのりは自分自身のことを指して言っているのではないらしい。
みのりという存在がいるのに、どうして他に彼女を作ったりするだろう…?そんな疑問が渦巻いて、遼太郎がつぶやく。
「…彼女って…?」
遼太郎の顔の曇ったので、みのりはそれに気づかないふりをして声をかけた。
「さあ、作るよ!まずはご飯を仕掛けなきゃ。お米量ってくれる?」
気を取り直すようにみのりが笑顔を作ると、遼太郎はそれ以上のことを確かめることも出来ず、軽く息をもらして腕まくりをした。
みのりの考えた献立は、ハンバーグにポテトサラダ、それにコンソメスープというもの。
遼太郎にはハンバーグはちょっと荷が重かったが、その他のものはどれも遼太郎が一人でも出来るように、市販のスープの素や冷凍野菜を使って簡単にアレンジされていた。
何事もまじめに取り組む遼太郎は、ここでもそのまじめさを発揮して、みのりの言うことをよく聞いて、根気よく作業をした。
涙を堪えながら玉ねぎのみじん切りをする遼太郎だったが、みのりも極力自分が手を出すのを我慢して、遼太郎が最後までそれをやり通すのを側で見守った。
ハンバーグに限らず、作業のほとんどは遼太郎が行い、一緒に作るというより、みのりが指示して遼太郎が作った昼食だった。