Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



 日本史の個別指導をしてくれたように、みのりは自分のことを思いやって料理の特訓をしてくれたのだと、改めて遼太郎は痛感する。それが分かると、このハンバーグはただ美味しいだけでは言い表せない味になった。


 3時間近くかけて作ったありがたい味の料理たちだったけれども、それらはあっという間に遼太郎の胃袋の中に納まってしまった。


「これ、作ってたから、デザートに食べようね。」


と、食べ終わった食器を片づけた後、みのりが冷蔵庫からプリンを取り出して、皿によそった。

 買ってきたものではない、みのりが自分で手作りしたものだ。今日のためにみのりがいろいろと準備をしてくれていたことに、遼太郎は胸がいっぱいになってくる。

 台所に立っているみのりを後ろから抱きすくめたい衝動に駆られたが、今それをするとプリンが載ったお盆をひっくり返してしまうので、必死でそれを思い止めた。


「先生、これ。見せてもらっていいですか?」


 先にプリンをぺろりと食べてしまった遼太郎が、本棚に芳野高校の卒業アルバムを見つけて指をさした。卒業アルバムといっても、遼太郎が芳野高校に入学する前のものだ。


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