Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



 一緒にいる遼太郎自身は、年相応にしか見えないだろうか?一つでも二つでも、年より上に見られたら、みのりと一緒にいても違和感なく普通のカップルのように、人々の目には映るかもしれない。それとも、たとえ年は近く見られても、仲の良い姉弟にしか見られないだろうか…。


 列の前方にいる子ども連れの父親らしき人物が、振り返ってみのりに見惚れているのに、遼太郎は気が付いた。眉間にシワを寄せて、牽制の視線を送っても気が付かないので、遼太郎は思わずみのりの手を取った。


 不意のことに、みのりが驚いて遼太郎を見上げる。
 するとみのりは、遼太郎の心を蕩けさせる笑顔を見せてくれ、優しくその手を握り返してくれた。


――こんなふうに、手を繋ぐ姉弟なんていない…。


 実際遼太郎には、物心ついてから実の姉と手を繋いだ記憶は、既になかった。
 遼太郎は自分の手の中にある華奢なみのりの手の感触を確かめながら、そのみのりの一番近い存在でいられる優越感を噛みしめた。


 遼太郎とみのりにも順番が回ってきて、ジェットコースターのちょうど中ほどへ乗り込むことになった。
 遼太郎が先に乗り、後から乗り込むみのりの手を取った。先程までは何ともなかったみのりの手のひらが、じっとりと汗ばんでいる。


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