Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
2年前、自分たちのために一生懸命になってくれていたみのりの姿が、遼太郎の目に浮かぶ。
「兄ちゃんがラグビースクールのコーチしてるって言ったら、みのりちゃん、とても嬉しそうだったよ。」
「……そうか……。」
遼太郎はもうこれ以上、俊次の前で普通の自分でいられなくなった。ただ一言つぶやくと、年賀状を手に取って自分の部屋へと向かう。
自分の部屋のドアを開けて中へ入ると、体中が震えて立っていられなかった。
力なくベッドへ座り込むと、膝に肘をついて両手で目を覆い…、
「……先生……。」
その一言を絞り出すと、目の奥から涙がにじみ出た。
あの春の日の別れから、必死になって押し止めていたみのりへの想いが、堰を切って一気に溢れ出してくる。この止まることのない大きな波を、どうやってやり過ごせばいいのか分からなかった。
狭い芳野の街を出て、大学に行ってたくさんの人間と出逢い、いろんな経験を重ねてきても、遼太郎のみのりを想う心だけは、あの日から少しも変わっていなかった。
逆に、あの日からみのりに一度も会っていないのに、その想いは日々積み重ねられ、もっと強く深いものになっていた。
荒れ狂うような想いの波を、自分では収めきれず、遼太郎は助けを求めるようにスマホを取り出した。