Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「夕方になる前に、降ってきそうですね。」
消沈した面持ちで、遼太郎がどんよりと曇る空を見上げる。
「大丈夫よ。室内で遊べるところだってあるでしょう?」
みのりはそう言って、この状況を悲観しないように思わせてくれるが、雨降りの遊園地ほど冴えないものはない。
「…室内で遊べるところって…?」
遼太郎が眉を寄せると、みのりは遊園地の見取り図を開いてみた。
「ほら、ここ。3Dシアターなんか、イケるでしょう?」
みのりと頭を並べて、遼太郎も一緒に見取り図を覗き込む。
「あ、これ。スリラーハウスも室内ですよね?」
遼太郎がそう言った瞬間、みのりが突然身を引いた。
「…お、お化け屋敷は、…嫌よ!」
極端なみのりの反応に、遼太郎は驚いて顔を上げる。そして、口元をニヤリと歪ませた。
「先生…、もしかして怖いんですか?」
「こ、怖くなんかないけど…!びっくりするのが嫌なだけ。」
「ふうん。びっくりするから、怖いんじゃないんですか?」
遼太郎は珍しく、みのりをからかうようなことを言う。すると、みのりは必死で本心を隠そうと、顔を真っ赤にして目を白黒させる。
そんな素直なみのりの反応を、遼太郎は面白がっているわけではなく、ただ単に可愛いからもっと見たいと思っているだけだ。