Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「佐山のヤツ…。先生の水着姿を見たら、きっと卒倒するぞ。」
花が咲くように可愛いだけではない。透き通るように綺麗なのに、そこはかとなく匂い立つような色香もある。それほど遼太郎の中のみのりは、完璧だった。
「…って、俺も先生の水着姿、見たことないけど。」
と、遼太郎は自嘲気味に、自分向かってツッコミを入れた。
大の字になって浮かび、空を仰いだままみのりのその姿を想像する。
記憶の中にあるみのりの胸元やその感触を思い出して、陽菜と同じ水着を着たみのりの姿が徐々に形作られてくる…。
と、その時、不意に大きな波が来て、まともに海水を被ってしまった。一瞬にしてみのりの姿は散っていき、遼太郎は水を飲んで大きくむせかえった。
やれやれと遼太郎が海の家の休憩所に戻ってきた時、佐山と樫原は既に板間の端に腰を下ろしていた。
潮騒が聞こえ、海からの風が吹き渡って、心地の良いこの日陰は、何時間でも昼寝をしていたくなるような場所だった。
「狩野くん。コレ、飲み物一人一本、取ってもいいんだって!」
相変わらず親切な樫原は、そう言ってクーラーボックスを指し示してくれた。
そこからスポーツ飲料を一つ取り出し、一息つくべく佐山の隣に座った遼太郎に、今度は佐山が口を開く。