Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「迷惑じゃありません。……先生は、俺の〝彼女〟なんですから。」
と、言ってしまってから、遼太郎は〝彼女〟という言葉に反応して、その顔を再び赤くした。
つられてみのりも、恥ずかしそうなそぶりを見せたが、改めてじっと遼太郎を見つめ直した。
「……ホントに、ありがとう。」
――十二歳も年上の、こんな私を『彼女』にしてくれて……。
感謝の言葉をもう一度繰り返してから、言葉にできなかった部分を心の中で付け足した。
夢を見ているみたいに嬉しくて、心が震えて泣いてしまいそうだった。
そんな想いのこもったみのりの言葉は、いつでも遼太郎の心に深く沁みていく。
けれども同時に、遼太郎の心には、また重い痛みが沈んでいった。