奇聞録七巡目
雨が降るつぶれたドライブイン。
街の不良が集まって、落書きされたり燃やされたり。
彼等はそこの自販機には手を出さない。
何故なら、真っ赤なペンキが自販機を染めているから。
錆色に変色した赤いペンキは、独特の臭いを放っている。
見捨てられた自販機の前に、片腕と右足がない顔がつぶれた男が立つ。
不良達は、気付かないフリを続けて遊ぶ。
顔がつぶれた男は、朝日が上るまで片足で何度も何度も跳び跳ねながら、やがて消えていく。