ぼくのことだけ見てなよ
まさか言えるワケないじゃないっ!わたしがキスを拒んだから、怒らせた…なんて。

「そういえば、美島ん家行ったよ」
「えっ!?マジ?」
「うん。咲希ちゃん、カワイイ子だね」
「咲希もいたんだ」
「うん。でも、淳平のことは言ってないから。けれど、及川って言ったらビックリされたよ」
「は、はは…。そりゃそうだよな…」

よし、話題は変えた!淳平が乾いた声で笑ってる間に、わたしはソソクサとバスルームへ逃げた。

ふぅ…危なかった…。いくら弟でも言えることと、言えないことがあるもん。

熱めのシャワーを頭からかぶり、頭をスッキリさせる。その後、リビングへ戻るも淳平からは、なにも聞かれず、お土産を渡すと自分の部屋のベッドへ、ダイブした。

美島、なにしてるのかな…。もう家に着いてるよね…?LINEしてみようかな。でも、返事こなかったらショック受けそうだしな…。やめて寝ようかな…。

そんなことを思ってると音がなり、カラダごとガバッと起き上がった。見ると、美島からのLINEで〝もう寝た?〟と。

慌てて〝まだ寝てないよ!〟と返すと〝早く椿姫に会いたい〟なんて、ニヤけちゃう言葉を送ってきた。

なんて送ろうか悩んでいると〝今日はごめんね。椿姫の気持ち、なにも考えてなかったよ…〟と。〝ううん、わたしもごめんね?〟と送れば〝ううん。じゃあ、学校でね〟と、美島とのやり取りが終わった。

それだけでわたしの機嫌は直り、学校へ行く日が楽しみで仕方がなかった。

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