ぼくのことだけ見てなよ
ホント、生意気な弟なんだから!イラッとしながらも、お味噌汁を作り、それが出来ると同時にごはんの炊き上がりの音が鳴った。

「淳平、できるよ。箸とか、用意して」
「へいへーい」

淳平がダラダラと、箸とコップを用意している間に、わたしは丼にお米をよそい、できた具をのせる。

お味噌汁もついで、それをテーブルに並べると、二人で手を合わせて食べ始めた。

「親子丼、うめー」
「そ?まぁ、すき焼きのタレだから当然だよね」

これで〝まずい〟って言われたら、すき焼きのタレがかわいそすぎるわ。

「あ、そういえばさ」
「うん、なぁに?」

淳平は一度食べる手を止めると、わたしを見た。だから、わたしも手を止めて淳平を見たんだけど。

「椿姫って、F組だよな?」
「え?あ、うん。そうだよ」
「オレのクラスのヤツの兄貴が椿姫と同じ学校で、聞いたらF組だったんだ」
「えっ、ホントに?なんて名字?」
「うんと、美島。知ってる?」
「っ、げほっ、げほっ!み、美島っ!?」

淳平の言った名字に驚いて、思わず咳き込んだ。そんなわたしに淳平が「大丈夫かよ」なんて、冷ややかな目を向けてきた。

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