ぼくのことだけ見てなよ
わかっているのに、ズキズキ胸が痛むのはどうしてなんだろう…。

もう誰も好きにならないと、決めたはずなのに。どうして、わたしは泣きそうになっているのだろう。

走って走って、着いた先は教室だった。なぜ、わたしが教室を選んだのかは、わからない。

でも、これもきっと神様のイタズラ。ねぇ、神様はわたしをどうしたいの?

ガラッと教室のドアを開けると、教室の中には数人の女子がいた。

それも全員、美島のファンというオチ。全速力で走ったわたしは、ハァハァ言ってて、そんなわたしを睨みつける数人の美島ファン。

この中に入る自信はない…。と、一歩うしろへ下がった時。美島ファンから、お声がかかった。

「どうして逃げるの?」
「……特に理由はないけど」
「昼間は、見せつけてくれちゃって」
「っ、アレは勝手に美島が!」
「へぇ〜。わたしは興味ないのに楓くんが、わたしに気があるの〜!とでも言ってんの?」
「どうしてそういう解釈すんのよ」

ジリジリと詰め寄ってくる彼女らの目が、うまくいえないけど、なんかヤバくて、口内に溜まった唾液をゴクンと飲み込むと、また全速力で廊下を走った。

だけど今度は美島みたく追ってこないワケがなく。でもわたしだって、バカじゃない。コレに捕まったらゼッタイにマズイと、必死で廊下を駆け抜けた。

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