あまりにも猟奇的な少女たち
蛍の光
真夏の真夜中、レイコの楽しみは 蛍狩り、
綺麗な水にしか集まらない蛍たちに哀れみを禁じえないが
また、一瞬の煌く命に嫉妬さえ感じていた。

都会の真ん中に 蛍を放つ計画を 企てた。
東京では 水のあるオアシスを思いつかなかったので、
福岡の天神あたりのビルの吹き抜けに水を湛えた商業施設で
その実験を試みる事にした。

蛍の採取は 上手くいった。その数億体の蛍を虫かごいっぱいに溜めて
夜の訪れとともに一斉に解放した。
ビルの吹き抜けを自由に飛び回る光の粒に ここを訪れる人々に
安らぎと歓声を舞い上がらせた。
< 13 / 19 >

この作品をシェア

pagetop