あまりにも猟奇的な少女たち
中央線に乗り継ぎ、圏外路線を通過した頃、玲子は、ブログへのお休み告知を兼ねて、サイトへのアクセスを急いだ。  記事アップの前 ふと もんちさんの投稿が気になり、覗いてみたら、案の定、予想は的中した。
「今日、驚いたよ、、電車で、化粧して、携帯して、サンドイッチ頬張るツワモノ発見!呆れて口が、、、、日本はどうなるのでしょうか。。悲しい。」
それ わたしだよ。 コメントしようとしたが、思い出した。 ここのサイトは ♂名登録だったっけ。。。「もんちさん、たぶん、それ事情があったんだよ。電車はさ、いろんな事情で乗ってるんだよ。もんちさん、想像力なさすぎ、、その子 にんぷかもしれないさぁ。そんなもんちさんが悲しいな。」急いでコメントいれたら、もんちさんじゃない人から、レス入れ、、、「ちょっと、悲しいって、もんちさん 感想いれただけじゃない。 かっこ悪いものはかっこ悪いっていうでしょ。昨今の電車内マナーはわたしも 文句あるわよ。レイコみたいのが、日本をだめにすんじゃ!」  玲子も こんな横スレを無視するほど大人じゃない。 やりとりが、けんか腰になり ブログアクセス許可を 突然切られた。 弁明の余地もなかった。
山梨の実家についた頃には お通夜の準備が始まっていた。  涙腺の出所が、親の他界なのか、 都会生活での唯一の居場所を失ったためなのか、 わからないまま 泣き通しの日々をすごしたあと、自由が丘のマンションに帰ったころには 玲子のブログは、炎上していた。
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