あの日のきみを今も憶えている
「ええと陸上部は……、あ。いた。あーくん」
窓から下を見下ろした美月ちゃんが、くっと息を飲んだ。
「美月ちゃんの言う通り、二時から陸上部の時間だったんだね」
私も美月ちゃんの横に立ち、下を見下ろした。
ちょうど、点呼を取っているらしい。
顧問の前に一列に並んだ部員たちがいた。
園田くんは、列の真ん中あたりにいる。
美月ちゃんが死んでまだ僅かしか経っていない。
もしかしたら練習に参加していないのではないかと思ったりもしたけど、園田くんはいた。
だけど、数日前と比べてはっきりとわかるくらい、やつれていた。
「あーくん、ふらついてる」
「……うん」
美月ちゃんの独り言のようなつぶやきに、短く答える。
それは誰が見ても、『無理をしている』状態だった。
顔色が悪く、動きが緩慢になっている。
頬や腕の傷も、私よりも目立つ。
部員に話しかけられても、満足に返事も出来ないようだった。
「園田くん、あんまり寝てないのかな」
ぽつんと声を落とす。
遠目にも、彼の目の下が黒ずんでいるのが見えたのだ。
「……あーくん、疲れがすぐに目の下に出るんだ」
「そっか。ねえ、陸上部はいつ頃休憩とるの?」
「一時間後、かなあ」
「じゃあ、その時に行ってみよう」
私たちは、炎天下の中頼りなく立つ人をただ見つめるしかできなかった。
窓から下を見下ろした美月ちゃんが、くっと息を飲んだ。
「美月ちゃんの言う通り、二時から陸上部の時間だったんだね」
私も美月ちゃんの横に立ち、下を見下ろした。
ちょうど、点呼を取っているらしい。
顧問の前に一列に並んだ部員たちがいた。
園田くんは、列の真ん中あたりにいる。
美月ちゃんが死んでまだ僅かしか経っていない。
もしかしたら練習に参加していないのではないかと思ったりもしたけど、園田くんはいた。
だけど、数日前と比べてはっきりとわかるくらい、やつれていた。
「あーくん、ふらついてる」
「……うん」
美月ちゃんの独り言のようなつぶやきに、短く答える。
それは誰が見ても、『無理をしている』状態だった。
顔色が悪く、動きが緩慢になっている。
頬や腕の傷も、私よりも目立つ。
部員に話しかけられても、満足に返事も出来ないようだった。
「園田くん、あんまり寝てないのかな」
ぽつんと声を落とす。
遠目にも、彼の目の下が黒ずんでいるのが見えたのだ。
「……あーくん、疲れがすぐに目の下に出るんだ」
「そっか。ねえ、陸上部はいつ頃休憩とるの?」
「一時間後、かなあ」
「じゃあ、その時に行ってみよう」
私たちは、炎天下の中頼りなく立つ人をただ見つめるしかできなかった。