溺愛ドクターは恋情を止められない
「はい。もちろんです」
「お母さん、入院中から付きっきりで大変だったんだよ。ちょっと休ませてあげたくて」
そういうことか。
そうしたことに気がつくのも、常に患者の視点に立てる彼らしい。
「あの、心臓の病気だったということですが、走り回っても平気ですか?」
「うん。今は大丈夫。だから思う存分遊んでやろうな」
「はい」
ハンドルを握る先生の横顔が、いつにもまして優しく見える。
子供、好きなのかな。
清春君の家は、私の家から二十分ほどで着いた。
玄関で丁寧に頭を下げるお母さんは、私達の分までお弁当を用意してくれていた。
「すみません。ありがとうございます」
私もお弁当を作ろうとしたけれど、高原先生がいらないと言っていたから作らなかった。
きっと清春君もお母さんのものがいいに違いない。